住宅コラム
目次

戸建てやマンションなどの住宅を購入する場合、住宅ローンを利用するのが一般的です。住宅ローンを利用する際には、自身の年収に見合った借入金額はいくらなのか、月々の返済額はどのくらいになるのか、自分や家族のライフプランと照らし合わせながら整理していくことが重要です。
「年収がそんなに多くないけど、住宅を購入したい」
「住宅を購入するにも、どこまでお金を用意したら良いかわからない」
「住宅ローンについて具体的なイメージを持ちたい」
そんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。この記事では住宅ローンを利用する世帯の平均「年収600万円」をベースに、住宅ローンについて一緒に詳しく見ていきましょう。借入時の注意点についても、細かく解説していきます。
住宅ローンを借りる際には、まず以下のポイントを抑えることが重要です。借入限度額は住宅ローンを利用する際に知っておくべき金額です。まず初めに、限度額を知る上で「年収倍率」を導き出しましょう。「年収倍率」とは、購入予定の住宅価格が、住宅ローン契約者の年収の何倍に相当するかを示す数値です。住宅ローン「フラット35」の利用者データによると、年収倍率は6〜8倍程度にあたります。
ちなみに、年収倍率は以下の計算式で導き出すことができます。
年収倍率 = 住宅の購入費用 ÷ 住宅ローン契約者の年収
この時、年収は控除額や交通費などのすべての金額を含めた「年間の総支給額」を指します。「手取り額」ではないので注意してください。なお、ここでは計算をわかりやすくするため、額面年収600万円を基準にシミュレーションを行います。年収600万円で年収倍率を仮に7倍と設定すると、住宅の購入費は4,200万円程度が借入限度額の適正金額となります。ただしこの金額はあくまで目安に過ぎませんので、実際の「手取り年収」を踏まえて、無理のない借入金額を設定することが大切です。
次に「返済負担率」です。こちらは年間のローン返済金額が年収のどれくらいを占めているかを示す値です。住宅ローンのみならず、車や教育ローンなども含んだ全体のローン返済金額を使います。
返済負担率(%) = 年間のローン返済総額 ÷ 年収 × 100
一般的な返済負担率は、「手取り年収」の約20〜25%と言われています。年収600万円の場合、返済負担率20%における年間のローン返済額は120万円です。なお、この例では便宜上、住宅ローンのみで計算しています。
600万円 × 20% = 120万円
120万円 ÷ 12ヶ月 = 10万円
年収600万円のうち、ボーナス30万円×2回を除いた月収を45万円とした場合、住宅ローン返済後の手元に残る金額は約35万円となります。このように「年収倍率」と「返済負担率」2つの軸から自身の年収と借入限度額、月々の返済金額の目安を出すことで、どの程度の住宅ローンを組むことができるか試算することができます。また金融機関によって審査が通る金額や年収倍率は異なります。中には高い年収倍率で借入限度額を高く設定できる金融機関もありますが、自身の年収と照らし合わせながら慎重に金額を設定していきましょう。年収のみならず、勤務先や勤続年数など金融機関が参照するデータは様々あります。必ずしも目安の限度額を目一杯借りることができるわけではないので、注意が必要です。
次に、月々のローン返済のシミュレーションを行いましょう。
借入額を3,000万円・4,000万円・5,000万円と各金額で比較していきます。
| 借入額 | 月々の返済額(目安) | 総返済額(目安) |
| 3,000万円 | 約8.2万円 | 約3,430万円 |
| 4,000万円 | 約10.9万円 | 約4,570万円 |
| 5,000万円 | 約13.7万円 | 約5,720万円 |
※金利0.8%・返済期間35年・元利均等返済・ボーナス払いなしの場合の試算です。
※実際の返済額は、適用金利や返済期間、借入条件によって異なります。
年収倍率と返済負担率を踏まえると、この中で平均的な返済額になりそうなのは「4,000万円」です。もちろん、返済期間や金利によって借入金額に対する返済金額は変わります。住宅ローンには「変動金利」の商品も多く、返済時期によっては金額が増額してしまう可能性もあります。将来的な支出増加・変動も見越した返済計画を立てることが大切です。
年収600万円の手取り年収を考えると、社会保険や税金、車のローンや生命保険などを加味すると約450〜480万円です。ボーナス30万円×2回を除いた額面月収を45万円とした場合、税金や社会保険料などを差し引いた手取り月収は約35万円前後となります。「手取り月収」が約35万円と考えると、住宅費にいくら充てられるかが重要になってきます。一般的に住宅費は「手取り月収」の3分の1程度と言われています。ここで、返済負担率を25%と仮定して、月々の返済額をシミュレーションしてみましょう。
35万円 × 25% = 8.75万円
目安として、約9万円となります。では返済負担率が30%になるとどうなるでしょうか。
35万円 × 30% = 10.5万円
住宅ローンだけで10万を超えてくると、車のローンや生命保険、場合によっては教育ローンなども考えた時に負担が大きくなることが予想されます。
他にも返済負担率を20〜25%にしておいた方が良い理由は、いくつもあります。まずは買った住宅および土地に対して、固定資産税がかかってきます。賃貸では発生しない税金ですので、家計に思わぬダメージを及ぼす可能性があります。また戸建てではなくマンションを購入した場合は、管理会社へ支払う管理費、住民で積み立てる修繕費などが挙げられます。これも月1万円以上かかってしまうことがあり、年間十数万円かかってしまう計算になります。あらかじめ考慮しておきたい費用です。これらも加味した上で住宅費を考えると、年収600万円の場合は返済負担率を20〜25%程度に抑えておくと、比較的安心して返済しやすい水準といえるでしょう。
住宅ローンの頭金は、一般的に物件価格の10〜20%程度と言われています。仮に物件の購入金額が3,200万円とすると、320〜640万円となります。頭金を用意することで、最終的にかかる金利を抑えられるだけではなく、金融機関からの信用を得ることができます。
頭金を用意するためには、無理のない貯蓄計画が必要です。例えば収入のうち住宅積立金として5〜8万円貯金に回す、年2回のボーナスのうち半分を積立するなどです。頭金を準備している段階では、賃貸住宅の家賃など別途住居費が発生しているケースも少なくありません。ただ貯金するだけでなく、積立保険に加入する・リスクの少ない資産運用をしてみるなど様々な方法があります。金融機関やファイナンシャルアドバイザーに相談してみるなど、自身のライフプランに応じた貯金計画を立てていきましょう。
頭金を用意するのが難しい場合は、「フルローン」という選択肢もあります。しかしこの場合は、最終的に支払う借入額が増加する・支払う金利が多くなるなどの可能性を念頭に置かなければなりません。加えて、住宅ローン減税について理解を深めることも方法の一つです。国土交通省の住宅局より、住宅ローン減税についての詳しい情報が掲載されています※。減税制度を最大限活用できるよう、情報を確認して準備しましょう。

まず「年収」について、総支給額である「額面年収」ではなく「手取り年収」で考えることが重要です。世帯年収が600万円の場合ですと、実際の手取り額は【月収32〜35万円程度+ボーナス】がベースになります。ここから住宅費(ローンを組む前なら他に住宅積立費もかかる)が引かれると、月々の生活費は22〜25万円程度になります。住宅ローンのプランを検討する際には、そのローン返済が現実となった時に生活に無理なく払えるかどうかシミュレーションすることが大切です。生活費の他にも、様々なライフイベントでかかるお金も少なくありません。自身の、または家庭のライフプランと実生活とを照らし合わせながら、住宅ローンの具体的なプランを選択しましょう。
住宅ローンを組むということは、すなわち長期的にお金を借りているということです。自身の現在の年齢だけではなく、未来の自分が返済できる状況かどうかも考える必要があります。
例えば35年ローンを組んだとしましょう。そうすると、借入時30歳であれば完済は65歳、35歳であれば70歳になります。現在の一般的な定年は60〜65歳ですので、定年後も住宅ローンが残ってしまう計算になります。体力的に働けるのか、病気をしていないか、年金額はどれだけ受給できているのかなど、様々なリスクを考えておく必要があります。
住宅ローンの「繰り上げ返済」や「退職金の活用」は、リスクを少しでも減らす方法としてあげられます。これらの方法を使えば、支払う金利の総額を少しでも減らすことが可能です。これらは構造上の問題ではなく、素材の特性上仕方のない部分でもあります。リフォーム時に適切な下地処理を施し、メッシュテープなどで補強を行うことで、ひび割れのリスクを大幅に減らすことができます。
住宅ローンを返済することだけにお金がかかるわけではありません。住宅にかかってくる固定資産税、マンション購入の場合は管理費・修繕積立金などがかかってきます。住宅費を考える時には、住宅ローンの返済金のほかに、月 2〜3万円の隠れた維持費を必ず組み込むようにしましょう。
住宅ローンプランを考える際に、金利の選択をする場面があります。金利には「固定金利」と「変動金利」があり、どちらにもメリット・デメリットがあります。「固定金利」は金利の額が一定のため、毎月の返済額に変動が無く、返済プランを立てやすいです。しかし「変動金利」に比べ設定される金利が高いことが多いため、返済総額が高くなる可能性があります。
「変動金利」は、「固定金利」より安い金利のスタートが一般的なので、短期でローンを返済していきたい方に向いています。しかし市場に合わせた金利の変動があるため、場合によっては金利が増額し、返済額が増えてしまうリスクもあります。
それぞれの金利のメリット・デメリットを把握し、自身のライフプランにあった金利を選択することが大切です。
今記事では、年収600万円を例に、住宅ローンについて見ていきました。住宅ローンを検討する場合は、自身の借入限度額を知る必要があります。住宅購入費や無理のない月々の返済金額を考え、住宅ローンを組みましょう。また、住宅費には住宅ローンの他に固定資産税や物件維持費などもかかってきます。ライフプランを考える際には、見逃してはならないポイントです。
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